神代植物公園と深大寺で自由研究|湧き水しらべ

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夏休みの自由研究、何にしようか迷っていませんか。神代植物公園と深大寺は、武蔵野の地下からわき出す湧き水(ゆうすい)に恵まれた、調布でも指折りの「水の郷(さと)」です。この記事では、2か所の湧き水を見て・はかって・くらべる自由研究の進め方と、子どもが達成感を持ってレポートにまとめるコツを、実際に歩いて確かめた経験をもとにご紹介します。半日で完結し、低学年から高学年まで取り組めるテーマです。

湧き水でてを洗う
  1. 神代植物公園と深大寺が「湧き水の郷」である理由
  2. なぜ自由研究のテーマに湧き水がぴったりなのか
  3. 観察スポット その一・水生植物園の小川
  4. 観察スポット その二・深大寺の境内から流れ出す水
  5. 用意しておきたい観察の道具
  6. レポートを「探究」に変える三つの工夫
  7. 安全とマナーのための約束
  8. わき水と深大寺そば、そして調布の水道のつながり
  9. あわせて読みたい
  10. 神代植物公園と深大寺が「湧き水の郷」である理由

深大寺のあたりを歩くと、夏でもどこかひんやりとした空気が流れている場所に出会います。その正体が、地面の下からわき出す湧き水です。深大寺は古くから豊かな緑と湧き水に恵まれた土地として知られ、都内では浅草寺に次ぐ古い歴史を持つお寺ともいわれています。

この水の豊かさは、武蔵野台地(むさしのだいち)という広い台地の地形と関わっているとされます。台地に降った雨が長い時間をかけて地中にしみこみ、台地のへりにあたるこの一帯で再び地表へとわき出してくる、という流れです。神代植物公園の水生植物園や深大寺の境内には、その水が小川となって流れる場所があり、子どもと一緒に間近で観察することができます。

ふだん何気なく通り過ぎてしまう水の流れですが、「これはどこから来た水だろう」と問いを立てた瞬間に、身近な散歩道が立派な研究のフィールドに変わります。自由研究のテーマとして、これほど取り組みやすく、奥行きのある題材はなかなかありません。

  1. なぜ自由研究のテーマに湧き水がぴったりなのか

自由研究で大切なのは、めずらしい題材を選ぶことよりも、「自分の手と目で確かめた」という実感を持てることだといわれています。その点で、湧き水の観察にはいくつもの利点があります。

まず、半日で完結できることです。神代植物公園と深大寺は歩いて行き来できる距離にあり、午前中だけでも2か所の観察がかないます。次に、特別な準備がほとんどいらないことです。温度計とノートがあれば、その日のうちに数字のデータが取れます。そして何より、結果が「比べられる」ことが魅力です。2か所の水温や流れを並べてみると、似ているところと違うところが見えてきて、子ども自身が「どうしてだろう」と考え始めます。

正解を覚える勉強ではなく、自分で問いを立てて確かめる体験。それが一日で味わえるのが、この湧き水しらべの良いところだと思います。

  1. 観察スポット その一・水生植物園の小川

神代植物公園の本園から少し歩いたところにある水生植物園は、小川や池が広がる湿地帯で、木道(もくどう・木でできた歩道)が整備されています。六月には花しょうぶが見頃を迎える、四季を感じられる一角です。

神代植物公園の木道

この小川には、飛び石が置かれて流れが浅くなっている場所があります。足もとが安定していて、子どもでも水面に近づいて観察しやすいところです。ほかの来園者が通る道でもあるので、通行のさまたげにならないよう気をつけながら、流れの速さや水の透明感、まわりにいる小さな生きものを記録していきます。

神代植物公園野小川

水生植物園のなかには、近くで水がわき出しているように見える場所もあります。ただし、どこが水源なのか、園内で水にふれてよいのかは、お子さん自身がスタッフの方に質問して確かめるのがおすすめです。「この水はどこからわいているのですか」と自分の言葉で尋ねる経験は、後でふれるようにレポートの大きな見どころになります。

  1. 観察スポット その二・深大寺の境内から流れ出す水

もう一か所は、深大寺の境内から流れ出す湧き水です。深大寺の境内には、平成二十五年の整備によって本来の自然な湧き水と清流がよみがえった池があり、複数の場所から水がわき出して、透きとおった水が小川のように流れているとされています。

深大寺境内から流れる水が流れ込む池

境内から道路沿いへと流れ出すあたりは、比較的近づきやすく、子どもと一緒に水の温度や流れを観察するのに向いています。ここでも、池に入ったり深いところをのぞきこんだりはせず、流れのそばで「見て・はかって・記録する」ことを基本にします。

深大寺境内から湧く清水

二か所で同じ項目を記録しておくと、後でくらべるときにとても役立ちます。「神代植物公園の小川」と「深大寺の流れ」、それぞれの水温や流れの速さを並べてみると、近い場所どうしなのに違いがあるのか、それともよく似ているのか、という発見につながっていきます。

  1. 用意しておきたい観察の道具

道具は多くなくても大丈夫ですが、いくつかあると観察がぐっと深まります。

まず、水温をはかる温度計があると便利だと思います。気温と水温の両方をはかってみると、「夏の暑い日でも、わき水はひんやり冷たいのだろうか」という問いを、数字で確かめられます。この温度の差は、子どもにとって印象に残りやすいポイントになりそうです。小さなお子さんの場合は、保護者の方がはかってあげるとよいでしょう。

気温と水温の両方をはかるなら、扱いやすいデジタル温度計がひとつあると安心です。数字がはっきり読めるので、お子さんが記録するのにも向いています。

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記録用のノートも用意しておきたいものです。その場で気づいたことをすぐ書きとめられるよう、屋外でも扱いやすいものがあると、観察した時間や天気、まわりの様子を忘れないうちにメモできます。

記録用には、自由研究のまとめ方をガイドしてくれる専用ノートが便利です。観察したことを書き込む欄があらかじめ用意されているので、何をどう書けばいいか迷いがちなお子さんでも、迷わずまとめを進められます。

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私自身が散策のときに手放せないのが、小さなルーペです。水辺の虫や水草をのぞくと、肉眼では気づけない細かな姿が見えてきて、何度のぞいても飽きません。子どもの手でも扱いやすい、置いて使えるタイプが観察に向いています。

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見つけたものの名前をその場で調べられるよう、図鑑を一冊持っていくのもおすすめです。私は植物の図鑑のほか、野鳥の図鑑も持ち歩くことが多く、水辺で思いがけず出会う鳥を調べる楽しみが加わります。写真が豊富で子どもが眺めて楽しいものを選ぶと、観察への興味がぐんと深まります。

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これらの道具は、季節を変えてまた別の自然観察にも長く使えるものばかりです。一度そろえておくと、何度でも自然の楽しみを見つけに出かけられます。

  1. レポートを「探究」に変える三つの工夫

観察そのものと同じくらい大切なのが、集めたことをどうまとめるか、です。同じ材料でも、まとめ方しだいでレポートの印象は大きく変わります。評価が上がりやすい工夫を三つご紹介します。

一つめは、二か所をくらべる表を中心にすえることです。神代植物公園と深大寺、それぞれの水温・流れ・透明感を一つの表に並べると、「自分で調べた証拠」がひと目で伝わります。文章で長く説明するよりも、表のほうがずっと説得力を持ちます。

二つめは、自分で人に聞いた言葉を入れることです。神代植物公園のスタッフの方に「この水はどこからわいているのですか」と質問し、教わったことをかぎかっこでくくって書きます。本やインターネットを写すのではなく、自分の足で出向いて人に尋ねたという事実が、レポートに重みを与えます。

三つめは、二か所の距離をはかって地図にすることです。地図アプリや歩いた歩数で、二つの湧き水の地点がどれくらい離れているかをはかってみます。「これだけ離れているのに水温が近い(あるいは違う)のはなぜだろう」という問いは、低学年なら冷たさのくらべっことして、高学年なら距離と水温の関係を考える考察として、それぞれの学年に合った深め方ができます。手描きの簡単な地図をそえると、研究らしい仕上がりになります。

  1. 安全とマナーのための約束

楽しい自由研究にするために、いくつか守っておきたいことがあります。

水辺では必ず大人と一緒に行動し、池や流れのなかに入ったり、深いところをのぞきこみすぎたりしないようにします。観察は、足もとが安全な場所で行うのが基本です。水生植物園では、飛び石で浅くなっているところなど、安定した足場を選びます。

神代植物公園は植物を守り育てる公園です。園内で水にふれたり採ったりしたい場合は、事前に園の窓口でルールを確かめてください。わき水は飲んだり持ち帰ったりせず、見て・はかって・記録するだけにとどめます。また、ほかの来園者の通行のさまたげにならないよう、譲り合って観察します。

夏は気温が高くなります。ぼうし、こまめな水分補給、虫よけを忘れずに準備して、無理のない範囲で楽しんでください。

  1. わき水と深大寺そば、そして調布の水道のつながり

最後に、子どもの「発見」を深めるための背景をひとつ。

深大寺のそば

深大寺といえば、名物の深大寺そばが有名です。このあたりは昔、お米づくりに向かない土地だったため、代わりにそばを育てて寺に納めたのが深大寺そばの始まりと伝えられています。そばをさらすための湧き水が豊かだったことも、そばが発展した理由のひとつとされています。つまり、いま観察している湧き水は、何百年も前から人々の暮らしを支えてきた水でもあるのです。

さらに身近なところでは、調布の水道の水にも、この土地の地下からくみ上げた水が生かされているといわれます。蛇口から出てくるあの水と、目の前を流れるわき水とが、地下でつながっているかもしれない——そう考えると、水がぐっと自分ごとに感じられてきます。「水を大切にするために、自分には何ができるだろう」。観察の締めくくりに、そんな一文を子ども自身の言葉で書いてもらえたら、この自由研究はきっと心に残るものになるはずです。

湧き水でてを洗う

ひんやりとした水のそばに立ち、その冷たさを手のひらで確かめる。たったそれだけのことが、武蔵野の大地と暮らしのつながりへと続いていく。夏のひととき、親子でそんな発見の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

  1. あわせて読みたい

神代植物公園は、湧き水だけでなく季節の花も見どころです。六月の水生植物園では花しょうぶが咲きそろいます。あわせて読んでいただくと、観察のついでに楽しめる花の情報も見つかると思います。
(→ 神代植物公園の花菖蒲|江戸・伊勢・肥後系と見分け方 へ

夏の散策に向けた服装や持ち物については「神代植物公園の持ち物リスト|散策を快適にする7選」に、帽子や水分補給のグッズも含めてまとめています。おでかけ前の準備の参考にしてみてください。

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