
ねぇAYAじい、ゴーヤーの葉っぱが少し元気なくなってきたね。次はどうするの?

ふふふ、ちょうどヘチマの出番さ。大きな葉っぱで立派なカーテンになるし、秋にはスポンジにもなるんだよ。
東京の狭いベランダでも、季節はちゃんと交代します。夏を駆け抜けたゴーヤーが終盤を迎える頃、ヘチマの勢いが増してカーテンを支えてくれる。ここからは“ヘチマの季節”。さらに秋から冬にかけては花のカーテン、そして来春にはミニバラ「安曇野」へとつないでいく楽しみがあります。
ヘチマで作るベランダのグリーンカーテン
ゴーヤーと比べると、ヘチマは葉が大きくダイナミック。2mほどの高さと3m以上の幅をしっかり覆い、見た目にも迫力があります。

水平に誘引して広がりを演出

主蔓をまっすぐ伸ばすだけでは縦に長いカーテンになりがちです。1.6mほどの高さで一度横に流すと、そこから脇芽が次々と伸びて面に厚みが出ます。葉が重なりすぎた部分は、少しずつ間引いて風の通りを作りましょう。
東京のベランダでの水やりと土づくり
真夏のコンクリートの照り返しは、鉢の中の温度を一気に上げてしまいます。プランターは容量30L以上の大きめを使うと安定します。土は市販の培養土に赤玉土を混ぜると水はけと保水がバランス良くなります。
水やりは朝夕の2回が基本。朝はたっぷり、夕方は霧吹きで葉を冷やす程度に。肥料は2週間に1回の液肥を与えれば元気に育ちます。
種まきから苗作り
ヘチマの種は硬いので、そのままでは発芽率が低め。先端を軽く削り、一晩水に浸けてからまくと発芽が揃います。発芽したら元気な苗を1〜2本だけ選び、大切に育てるのがコツです。


誘引と仕立ての工夫
カーテンらしい景観を作るには「見せ場」を意識しましょう。ベランダの正面に葉の大きな部分を広げると迫力が出ます。

また、エアコン室外機の前などは葉を少し減らして風の抜け道を残しておくと、病気も出にくく快適です。
収穫の楽しみ:食べる&使う
若い実は20cmほどの柔らかいうちに収穫し、味噌炒めやスープに。ゴーヤーよりクセがなく食べやすい野菜です。

一方で完熟して黄色くなった実は、外皮をむいて乾燥させれば「ヘチマたわし」に早変わり。キッチンやバスルームで活躍する天然のスポンジになります。

病気・害虫・台風対策
ヘチマはうどんこ病が出やすいため、風通しを確保して夜に葉を濡らさないよう注意します。
台風の前は結束を増やし、鉢を壁際に寄せて風を避けると安心。通過後は仮留めを外し、再び自由に伸ばせるようにしましょう。
季節のリレーを楽しむ
夏はゴーヤーとヘチマで緑のカーテン。秋からはアサリナやルコウソウで花のカーテンを楽しみ、


来春にはミニバラ「安曇野」をフェンスいっぱいに誘引。狭い東京のベランダでも、植物をリレーのようにつなぐことで四季の物語を演出できます。

まとめ
ゴーヤーが夏を盛り上げ、ヘチマが秋口を支え、花のカーテンを経て来春には安曇野の花のフェンスへ。
小さなベランダでも、工夫次第で次々と主役を交代させながら四季を楽しむことができます。
ヘチマは「食べて・使って・眺める」ことができる、都会の暮らしにぴったりの万能植物です。